3.「なぜ?」を考える姿勢を持ち続ける

3.常に「なぜ?」を考える姿勢を持ち続けること


 小さい頃,「なぜ?」を連発して大人を困らせた経験はありませんか?
「なぜトリは空を飛べるの?」「なんでナメクジに塩をかけると死んじゃうの?」などなど…。

 子供は好奇心が旺盛(おうせい)です。身の回りのありとあらゆる物に興味を示し,素朴(そぼく)な疑問を投げかけてきます。
 本稿をお読みの中高生の皆さん。今こそ,幼い頃の好奇心を呼び覚(さ)まして下さい! そして,保護者並びに教育関係者の皆さん。できる限り子供の「なぜ」に真剣に答えてあげて下さい。

 日常の素朴な疑問こそが,学問の原点なのです。私たちが学んでいるすべてのことは,昔の人が「なぜ?」を追求し,血のにじむような努力を経て得られた成果の結晶なのです。

 下手に知識を詰め込んでしまうと,「なぜ」の部分よりも先に,結果だけに目が行ってしまいます。解明するためのプロセスを飛ばして,昔の人の苦労がわかりますか? 発見する喜びが味わえますか?

 いったん身についたと思い込んでいた事柄も,「なぜ?」という視点を加えるとわからないことだらけになります。
・なぜ,主語が三人称・単数のとき,動詞の現在形はsがつくのか?
・なぜ,負の数と負の数を掛けると正の数になるのか?
などなど。謎が解決するかどうかが問題ではありません。教えられたことだけをそのまま受け入れるのではなく,常にこのような姿勢を保ち続けることこそが大切なのです。


 ちょうど,この原稿を書いていた日,私が楽天を通して知り合った高校生のHPに行って日記を読ませてもらったら,なんと,生物の授業でナメクジに塩をかける実験をしたことが書かれているではありませんか! 私は即座に転載の許可を求めました。彼女は快く応じてくれたので,ここに,原文のまま掲載します。

うちの生物の先生はすごいデス。(中略)
金曜日の生物の時間に「『ナメクジに塩をかけたらどうなるか』という実験をする。」と言ったので、クラス全員でナメクジを取りに外に出ました。
ちょうど雨が上がった後だったので、もう嫌と言うほどいました・・・・。
そして、それに塩をかけて実験開始。
答えは分かってるっちゅーねん!!!
ちぢむんでしょ?
確かにそのナメクジはちぢみました。
へんな汁をだして・・・・うえっっ

でも、その時初めて、分かった事がありました。
皆さん知ってましたか??(知ってると思うけどさぁ)
ナメクジがちぢむ時って、実は、ナメクジは脱水症状に陥っている!!!わけなんですよ。
漬物の原理←(?)と同じで、ナメクジの身体の中の水分が塩によって外に出されてしまって、ナメクジは脱水症状に。
このままでずっといたら死んでしまうそうです。
少し感動しました。(これっぽっちで・・・)
脳味噌のしわがふえたかな?

聞きかじった知識よりも,身をもって体験した「なぜ?」の素晴らしい実例です。


4へ続く


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